槍ヶ岳~奥穂高岳~西穂高岳(夏山定例)

畳岩尾根ノ頭から天狗のコルへ下る。正面は鋭い岩峰の天狗ノ頭(天狗岩)!

山行情報

日時:2025/08/23 ~ 2025/08/26 天候:晴れ
ランク:D-D-11:00 参加:4名
山行担当:CL3597 SL3847
記録担当:文責:3847 写真:3597, 3198, 3847, 4036

コースタイム

1日目
上高地BC12:01…12:40明神…13:17徳澤園13:28…14:17横尾山荘…15:28槍沢ロッヂ(泊) 歩行時間:3時間09分/休憩時間:18分/合計:3時間27分
2日目
泊地4:08…4:39ババ平テント場…6:47坊主岩小屋6:58…8:05槍ヶ岳山荘8:22…8:39槍ヶ岳…9:00槍ヶ岳山荘9:14…9:40大喰岳…10:11中岳…11:33南岳…11:44南岳小屋(泊) 歩行時間:6時間29分 / 休憩時間:1時間07分 / 合計:7時間36分
3日目
泊地4:51…6:15長谷川ピーク…6:35A沢のコル…7:00飛騨泣き取り付き…8:14北穂高小屋8:38…8:39北穂高岳…10:36涸沢岳…10:54穂高山荘(泊) 歩行時間:5時間16分 / 休憩時間:47分 / 合計:6時間03分
4日目
泊地4:28…5:13奥穂高岳…6:45ジャンダルム7:07…8:23天狗のコル…8:50天狗ノ頭…9:20間ノ岳…9:59赤岩岳…10:41P1…10:47西穂高岳11:05…12:06西穂独標…12:56西穂丸山…13:10西穂山荘13:40…15:18西穂高岳登山口…15:45上高地BC 歩行時間:9時間37分 / 休憩時間:1時間40分 / 合計:11時間17分

コースマップ

記録日:2025/08/23~2025/08/26

山行記

はじめに

上高地を基点に、槍ヶ岳~奥穂高岳~西穂高岳を経由して上高地に戻る周回ルート上には、大キレット、そして奥穂高岳~西穂高岳間のバリエーションルートがある。岩場やナイフリッジが連続する危険な区間と言われており、一度確かめたいと思っていた。そのチャンスがようやく巡ってきた。ジャンダルムへの登頂も楽しみのひとつだ!



1日目:上高地~槍沢ロッヂ

梓第二駐車場からタクシー(料金6,000円:4人ならリーズナブル)で上高地へ。水の補給等をした後、12時1分スタート。初日は槍沢ロッヂまで歩くのみ。観光気分を味わいながら、ゆっくり歩けると思っていたが、先頭のCLが意外に飛ばし、15時28分に到着。ロッヂの入浴時間を気にしてのことだったが、なんと入浴時間は18時まで可!

早々にお風呂に浸かる。今日は殆ど汗をかいていないが、それでも気持ちが良い。



写真をクリックするとスライドショーになります。

2日目:槍沢ロッヂ~槍ヶ岳~南岳小屋

南岳からの絶景(大キレットの全貌が見られる)を期待して、槍沢ロッヂを早朝4時8分にスタート。ババ平では、同じ山岳会の人達と遭遇。テント泊中で、朝食の準備中だった。しばらく登っていくと、素敵な外国人のカップルが立ち止まっていた。何ごとかと思ったら、下山者が熊と遭遇したとのこと。熊が東鎌尾根方面へ行ったことを確認し、笛を吹きながら通り過ぎる。

出発して4時間、青い空を突き刺すように聳えている槍に再会。2年前、裏銀座ルートで初めて来た時、がむしゃらに登ったことを思い起こす。なんだか少し成長したような自分を感じながら槍を登る。山頂では、最高の眺望が待っていた。3つの鎌尾根、そして大キレット方面の全貌が見え、ワクワク感が高まる。

テント場から大きく下って登り返すと大喰岳。気持ちの良い稜線を中岳、そして南岳へ。南岳に近づくにつれガスが!予定通り正午前に南岳到着。南岳から迫力のある大キレット、北穂高、そして奥穂高の絶景が見られるはずだったが、実に残念!夕刻、わずかの時間であったが、小屋近くの獅子鼻岩から夕陽に照らされた大キレットを望めた。

夕食はなんと、フルーツポンチ付きのバイキング!ポトフが実に美味かった。翌日は12時ごろから雨になる可能性があり、それまでに穂高山荘に着けるよう翌朝4時50分にスタートすることに。いよいよ、大キレットへのチャレンジ!高鳴る気持ちを必死に抑えながら就寝する。



写真をクリックするとスライドショーになります。

3日目:南岳小屋~北穂高岳~穂高山荘

快晴ではないが、ガスは上がってきていない。いよいよ大キレット!

獅子鼻岩の右サイドのガレ場を300mほど下る。最低鞍部までは比較的平坦な尾根歩きが続き、さほど高度感は感じない。最低鞍部から100mほど登り返すと、有名な長谷川ピークだ!思わず皆で記念写真。

A沢のコル部で休憩後、本日の核心と思える飛騨泣きに取り付く。ガスが出たり晴れたりを繰り返す中、岩峰帯を越えていく。北穂高岳に近づくにつれ、斜度も増す。南岳小屋をスタートして3時間、北穂高小屋に到着。国内屈指の難コースと言われる大キレットを無事に通過し、緊張感から束の間、解放される。

北穂からも、奥壁バンド、涸沢槍など垂直に近いクサリ場や梯子が連続する危険地帯が続く。この区間は以前歩いたことある。落石に注意を払いながら慎重に通過。穂高山荘には、雨に降られることなく11時前(ジャンダルムをピストンできそうな時刻だ)に到着する。

持参した食糧もあったが、無性にラーメンが食べたくなる。ついでに昼飲み!念願の一つであった大キレットを歩けたという達成感もあり、格別に美味い。山荘には大勢の登山客。流石に人気のある山、山荘だ!そんな中、槍への登りで出会った2人が山荘に到着。アイコンタクトで互いの健闘を称える!

予報とは少しズレたが14時過ぎから雨が降り出し、夕方には、かなり強い雨となる。翌日は大本命のジャンダルム。そして西穂高岳までのバリエーションルートを越えて、上高地へ下る長丁場だ。翌朝、3時50分スタートと決め、早々に就寝する。



写真をクリックするとスライドショーになります。

4日目:穂高山荘~奥穂高岳~ジャンダルム~西穂高岳~上高地

3時前に起床。山荘の朝食弁当を談話室で食べる。ちらし寿司にアユの甘露煮付き。かなりボリュームがある。今日は長丁場。お茶を飲みながら無理やりお腹に押し込む。だが、霧雨状態のためスタート時間を遅らせることに。

4時28分、ガスガスの暗闇の中、奥穂高岳山頂へ向かう。ドーム型のジャンダルムが時おり見える。1年前、”あんなところ、どこを登る?”と思ったジャンダルムに、ゆっくり近づいていく。警告文が書かれた標識で、気を引き締める。幸か不幸か、ガスが広がり高度感をあまり感じない。雨で濡れて滑り易いナイフリッジを跨ぎながら三点、四点支持で越えていく。時おりガスが消え、前方にジャンダルムが雲海の上に浮かんで見える。なんとも幻想的だ。

馬の背の下りは焦らず、ルーファイをちゃんとすれば問題なく、あっと言う間に通過。ロバの耳を巻いて進むと、眼前にジャンダルムが立ちはだかる。直登する人もいるとのことだが、我々は一旦巻いてドームの下部まで下っていく。そこから登り返すとジャンダルムの頂。奇跡的にガスが切れていき、360度の眺望が広がる。雄大な奥穂高岳、大キレットを乗り越えて流れている雲海、そして鋭利な頂きの槍ヶ岳が雲海から突き出ている。素晴らしい光景に感動する。ずっと見ていたい!

唯一残念だったのは「天使」に会えなかったことだ!調べたところ、2024年8月に登山者が誤って落とし、その後3代目の天使看板が2024年9月に設置されたとのこと。だが、それもなくなっていた!代わりに「ジャンダルム 標高3,163m」と書かれた標柱のみ。

天使に会えず失意?の中、コブ尾根ノ頭、畳尾根ノ頭へと進んでいく。畳尾根ノ頭から天狗のコルへは急斜面で、特に落石しないように慎重に歩く。天狗ノ頭への取り付きは15mほどの垂直の鎖場。その後も急登のザレた岩場を登る。ここを天狗のコルへ下るのは相当危険だと感じた。

天狗ノ頭から間ノ岳の間にも気を抜けない箇所が多数あり、前日の大キレットとは一味違う怖さ。赤岩岳付近を通過中、爆音を轟かせながら飛行する県警救助ヘリに遭遇。遭難か?(後日知ったが、滑落者が発見されたタイミングで、2日後、遺体で収容されたとのこと)。緑色の西穂高岳山頂についた時には、正直ほっとした。

ここからは一般道。独標を過ぎると天国ロードのような登山道を歩き、あっという間に西穂山荘に到着。お昼前だったので、皆で西穂ラーメンをすする。美味い!中尾根を快調に歩き、15時18分、西穂高岳登山道入口に下山完了。達成感を全身でかみしめながら、遊歩道をバスセンターまで歩く。まさに凱旋した戦士のような気分!!

駐車場近くの温泉に浸かり、3日間の汗を洗い流す。いつもなら、ビールを飲みながらの反省会だが、運転があるので今日はコーラでガマン!家に帰るまでが登山だ。完歩の余韻に浸りながら、帰途につく。

いつかは行ってみたいと思っていた憧れのルート。これでもかと続く岩稜の登り下りでの冷静で的確なルーファイ、集中力を切らさないことがとても大切と感じた。そのためにも、ある程度の体力も必要。そして、何よりコース経験者のCLの存在。安心して歩けた最大のポイントだろう。

【CL追記】

私事ですが、ジャンダルム3回目で、初めて霧が晴れ、素晴らしい景色を見ることができ、感動しました。天気予報では毎日昼から雨でしたが、早出したことで、雨を避け安全に歩けたと共に、早く小屋に着いて身体を休め、4日目まで体力を温存できました。大キレット、ジャンダルムまでの行程は長いですが、岩稜帯の魅力が詰まった素晴らしいコースです。皆さんも是非チャレンジしてみて下さい。



写真をクリックするとスライドショーになります。