GW丹沢集中(縦横一文字・西丹サーキット)

 

はじめに

GW、せっかくの長い休みだ。何か山行をやろう。でも単に計画を出すだけではつまらない。そこで、少し遊び心を持って何かできないか、と思いを巡らす。季節も良い。深くダイナミックな丹沢を歩くにはいい時期だ。そこで「GW丹沢集中」と題して3本の企画を考えた。それが今回のⅠ「縦一文字/主脈」、Ⅱ「西丹サーキット」、Ⅲ「横一文字/主稜」だ。いずれも距離20㎞、獲得標高2,000mを超えるタフなコース。そう、コース設定においては年初来の訓練山行、六甲全山縦走を経て作った足を、夏山に向けて維持することを意識した。でも一方で、小屋泊も仲間と楽しみたいとも。そんな要素を取り入れた山行が今回の「GW丹沢集中」だ。(文責3840)

【GW丹沢集中Ⅰ「縦一文字/主脈」】

蛭ヶ岳へ向けていったん岩場を下りる

山行情報

日時:2025/4/29 天候:晴れ
ランク:B-C-8:30 参加:11名
山行担当:CL3840 SL3452, 3835
記録担当:文責3819 写真:3840

コースタイム

大倉BS7:17…10:00塔ノ岳…11:15丹沢山…12:44蛭ヶ岳…13:59姫次…15:50東野B 歩行時間:7時間39分/休憩時間:54分

 

コースマップ

山行記

いよいよ、この日がやってきた。六甲本番より緊張していた。なんとしても東野でバスに乗る、参加メンバー全員に迷惑をかけない。そんな緊張感だった。集合場所はいつもの大倉。この日は、誰もが静まりかえっていた。みんな緊張感をまとい、おしゃべりして歓談している人はおらず、ピーンとした空気が漂っていて、なかでも自分が一番緊張していた。

いつもの塔ノ岳を計画通りに通過。最高の天気と湿度。丹沢山から蛭ヶ岳までは素晴らしい景観だったが、すれ違いが多く渋滞もあり、やや遅延気味。蛭ヶ岳から姫次、そこから東野までの下りはかなり速く、消耗したが、なんとかバス時刻の30分前くらいに到着した。ここでようやく緊張がとけ、安堵。反省会も大いに楽しめた。タイムマネジメントしてくださったCL、SLのみなさまのおかげ、参加者のみなさまのおかげで歩ききれた。

【CL追記】

GW丹沢集中Ⅰ「縦一文字/主脈」。歩いた軌跡をたどれば「縦一文字」。GW丹沢集中「横一文字」と組み合わせれば「十」の文字が完成。なんかおもしろそう、とGWに組んでみた。大倉から塔ノ岳までを、休憩を含め2時間45分で歩けることが参加条件。丹沢の奥深くダイナミックな景色の中、夏山に向けたトレーニングを兼ね歩いた。みんな健脚ぞろい、いい歩きとなった。

 

【GW丹沢集中Ⅱ「西丹サーキット」】

檜洞丸から犬越路への下り。雄大な景色に癒される

山行情報

日時:2025/5/1 天候:晴れ
ランク:B-C-9:00 参加:7名
山行担当:CL3847 SL3840
記録担当:文責4168 写真:3840

コースタイム

西丹沢VC7:42…9:58檜洞丸…11:23犬越路…12:43大室山…13:49加入道山…14:12白石峠…15:56西丹沢VC 歩行時間:7時間02分/休憩時間:1時間12分

コースマップ

山行記

本山行は、西丹沢VCを起点に檜洞丸→大室山→加入道山→畦ヶ丸と回り、西丹沢VCに戻る距離22㎞、獲得標高2,300mのロングトレイルだ。GW丹沢集中Ⅰと同様、訓練山行および六甲全山縦走で鍛えた脚力を維持し、夏山縦走につながるトレーニングを目的としている。

当日の天候は晴れ。7時45分に西丹沢ビジターセンターを出発し、まずは檜洞丸山頂をめざした。CLとSLが予定時間とメンバーの足取りを確認しながら、絶妙な速度で先頭を歩く。檜洞丸山頂では、空の青に白く映える富士山や南アルプスを見ることができた。次の大室山へは高度差約550mの下り、および同高度の登りが待っている。下りは途中に切り立った鎖場もあったが、みなスムーズかつスピーディーに下って行く。

下り切ったところにある犬越路で小休憩を取り、大室山への登りに入る。ここがきつかった。檜洞丸への登り下りで疲労が溜まった脚での再度の登りとなり、私はストックを使って登ったものの、檜洞丸の登りと比べてペースが落ちた。大室山で休憩を取った時点では、予定時間とそれほど差はなかったが、その後、時間に押されて焦りが生じると事故のリスクにもつながりかねない。加入道山を越えた先の白石峠から西丹沢VCに向け下ることにした。

それでも距離約19km、獲得標高約1,900mを歩き切り、みな達成感から笑顔でゴールした。本山行の目的である、鍛えた脚力の維持と夏山縦走に向けたトレーニング目的は十分達成できた。また、入会から日が浅い私は、メンバーのほとんどの方と初対面であったが、同じ苦労を乗り越え、解散後の反省会では自然に会話を楽しむことができた。事前の準備と当日は安全な下山を最優先し、臨機応変に対応されたCL、SLに感謝の思いである。

【CL追記】

「西丹沢サーキット」でネット検索すると、複数の山行記がヒットする。多くは箒沢公園橋を基点として檜洞丸~大室~畦ヶ丸を周回するコース。若干のコース違いはあるが、本会山行との違いは、単独もしくはごく少人数で、かつ公共交通機関を利用していない点。スタートとゴールがバスの時刻に限定されている本山行には、大きな制約があった。途中、若干の停滞により図らずも、その事態が発生し、畔ヶ丸を断念しショートカットによる周回とした。時間的制約の中、複数名の会山行として実施することの難しさを知った。次回、新たなチャレンジャーを迎えリベンジしたい。

 

【GW丹沢集中Ⅲ「横一文字/主稜」】

蛭ヶ岳までもう少し。振り返ると西丹沢の絶景が素晴らしい

山行情報

日時:2025/5/4~2025/5/5 天候:晴れ
ランク:B-C-7:30 参加:17名
山行担当:CL3840 SL3169, 3523, 3785, 3962
記録担当:文責4163, 4020  写真:3840

コースタイム

1日目
西丹沢VC9:13…12:26檜洞丸…17:30蛭ヶ岳山荘(泊) 歩行時間:7時間23分/休憩時間:54分
2日目
泊地6:00…7:38丹沢山…8:56塔ノ岳…12:26大倉BS 歩行時間:5時間25分/休憩時間:1時間01分

コースマップ

 

山行記

【1日目】

今回の山行は、距離20Km、獲得標高2,000mを超える丹沢の主稜を横に貫くコースで、1月に入会した私にとっては自分の現状の体力を知る機会と思い、初の宿泊山行に参加した。参加者は17名のため、2班体制だった。

好天に恵まれたため、西丹沢VCまでのバスにも大勢の登山客が押し寄せ、登山開始が30分ほど遅れ、9時前のスタートとなった。ゴーラ沢は普段より水かさが増していたが、無事に渡りきり、そこで休憩。河原には、まばゆい陽射しと抜けるような青空ときらめく新緑が広がっていた。休憩後、檜洞丸までの登りは、ほぼ無風状態であったので非常に暑く感じられた。道中、雪を被った富士山を茂みの間から望み、SLの「あと30分」コールを何度か聞きながら檜洞丸に到着し、昼食タイム。初めての檜洞丸山頂だったが、白く輝く富士山は当然、これから向かう蛭ヶ岳の稜線、登山路のガレ場の白い筋が印象的だった。

せっかく1,551mまで登ったのに、金山谷乗越まで下り、登り返す。蛭ヶ岳まで続く急登のジグザグのガレ場では、咲いている花(コイワザクラ、エイザンスミレ等)のところでSLのプチ花教室を聞き、ゆっくりと登ることができた。メンバーのみんなとの和やかな話で、きつい中もどうにか蛭ヶ岳山頂にたどり着いた。山頂のベンチに座って、蛭カレーまでの間、山荘で買った冷たいビールで乾杯。神奈川の最高峰に登り切ったことへの達成感を感じた。

多くの仲間と一緒だったので、急登も優しく感じられた。これからも、登らなければ見られない絶景を求めてできるだけ長く歩いて行きたい。最後に、体調不良のメンバーのために、一度下って行かれ、再度登り返したCL、SL、お疲れ様です。皆さんの体力、気力、一体感、責任感などを見て「いつかは自分も」と思った。ありがとうございました。

【2日目】 

朝は、山荘前から素晴らしい日の出を拝んで感動。6時出発。この日の蛭ヶ岳〜丹沢山〜塔ノ岳の「丹沢主脈パノラマルート」は、私にとって初めての道だ。ただ、あいにくこの日は朝から急に霧が出て、眺望はおあずけだったので、いつか再訪したい。蛭ヶ岳から丹沢山まで1時間40分、一部岩場があったが尾根道で歩きやすかった。

この日は、丹沢山から宮ヶ瀬ダム方面には向かわず、塔ノ岳経由で大倉に下るコースに変更になった。丹沢山から塔ノ岳に向かうころには霧も晴れて、新緑の山々を拝みながら、1時間で塔ノ岳到着。みんなで尊仏山荘でコーヒーを飲み、ゆっくり下山。GWで大渋滞だったが、SLが機転をきかせて、途中、花をいろいろ教えてくれ、花山行のようだった。満開だった「まめ桜」や、「なつとうだい」は辛うじて覚えた。初日のハードな行程とは対照的に、ゆっくり歩いた2日目も、充実した山行だった。

【CL追記】

GW丹沢集中の今回の歩きは、ダイナミックな丹沢を小屋泊りで堪能するもの。天候にも恵まれ、充実した歩きができた。丹沢小屋泊の歩きは、あるようでない山行。夕食後、小屋番さんが歓談の輪に加わってくれ、山談義。いつにも増して楽しい山荘泊となった。