秋の西上州 立岩・大岩~碧岩(プチバリ)

大岩山頂に向けて高度感のある露岩帯を登る!

山行情報

日時:2025/10/31 ~ 2025/11/01 天候:曇り/晴れ
ランク:C-C-6:00 参加:9名
山行担当:CL3847 SL3740, 3890
記録担当:文責:4032, 3928 写真:3740, 3819, 3847, 3928, 4032, 4064

コースタイム

1日目
立岩登山口11:13…12:00立岩のコル…12:15東立岩…12:36立岩のコル…13:05西立岩…13:42威怒牟幾不動下降点…14:00威怒牟幾不動滝…14:16荒船山分岐…14:48立岩登山口 歩行時間:3時間6分/休憩時間:29分/合計:3時間35分
2日目
三段の滝・碧岩登山口8:30…9:25三段の滝…10:35大岩分岐…11:10大岩11:25…11:55大岩分岐…12:10碧岩分岐…13:20碧岩13:50…15:00碧岩分岐15:13…15:35三段の滝…16:24三段の滝・碧岩登山口 歩行時間:6時間30分/休憩時間:1時間24分/合計:7時間54分

コースマップ

記録日:2025/10/31

記録日:2025/11/01

山行記

1日目:立岩

朝から雲に覆われた空模様、ハイシーズンの連休前日で途中、高速渋滞に巻き込まれる。

私にとっては楽しみでありドキドキの初の「プチバリ」。慣れないハーネス&ガチャ、ヘルメットを装着し、群馬百名山、西上州の「ドロミテ」を立岩登山口からアタック開始。道は整備されている。落ち葉を踏みしめながら緩やかに高度を上げていく。紅葉は曇天の中でも鮮やか映えていた。

コルの下あたりで鎖場が出てくる。東立岩までは急な登りが続くが、展望地から周囲の山々や谷筋の景色を望めた。さらに西立岩へと進む稜線は細くアップダウンがあるが、変化に富んだ岩稜歩きは楽しい。軽いランチをとり、小さな滝の風景を楽しみながら下山。

CLの予想通りの雨が降り始めた。入浴を終え、はこだたみキャンプ場に移動。バンガローで皆で囲むキムチ鍋の夕食の場は談笑が尽きない。大降りになり始めた雨音に明日の天候の回復を祈り、西上州のマッターホルンに期待と不安を抱きながら就寝。(文責:4032)



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2日目:大岩~碧岩

昨晩の激しい雨が嘘のように、目覚めると窓の外は快晴! 澄み切った秋の青空を見て、アッセンダーと懸垂下降が待つ、緊張感のある登山へと気持ちを切り替えた。

三段の滝までは、何度も渡渉し、朽ちかけた橋を渡る沢沿いの道を進む。足元は常に滑る恐怖と隣り合わせで、「怖い、怖い」と心の中でつぶやきながら、慎重に歩みを進めた。三段の滝からは大岩への急登が始まり、正直、身体にこたえる登りが続く。しかし、稜線が開けると、そこには息をのむような紅葉の素晴らしい世界が広がっていた。真っ赤、黄色、オレンジ…。自然が織りなす圧倒的な美しさに、身体中の疲れは嘘のように吹き飛んだ。ここからは気が抜けない岩稜歩きが続く。大岩で早めのランチを済ませ、いざ核心の碧岩へ。

一つ目の岩壁は、買ったばかりの新品アッセンダーを使い順調にクリア。奇遇にも皆が同じタイプのアッセンダーという事実に、仲間意識が湧く。そして二つ目。見るからに垂直な壁には、ロープが心なげに2本ぶら下がっているだけだ。CLは重力がないかのようにスルスル登るが、これは絶対手ごわいと警戒した。

実際、初のプチバリ山行となる我々は、ホールドが途中で途切れたことを皮切りに、次々と手足を失い宙に浮く。意図せずアッセンダーの利きを確かめることになった瞬間だ。今までの和気あいあいムードは沈黙へと変わる。自力で頑張りたいという意地と見栄が邪魔をし、ロープに頼る切り替えが遅れた。結果、全員がこの難所を通過するのに1時間も費やしてしまった。皆の気持ちが一つになった苦闘の時間だった。

しかし、なんとか無事マッターホルン(碧岩)に登頂! 達成感もつかの間、帰りは懸垂下降だ。「どうやるんだっけ?」…。半年前の講習を懸命に思い出そうとするが、肝心な手順が出てこない。この時点で完全にアウトだ。家で練習しておくべきだったという後悔が押し寄せ、焦りが募る。初めての実地での懸垂下降は、技術不足を痛感する大きな反省を残すものとなった。その後の下山道も、急登かつ落ち葉で非常に滑りやすい状況。ここでチェーンスパイクを装着。そのグリップ力に助けられ、安心して下山することができた。

美しさと厳しさ、そして技術不足を痛感した山行だった。装備と仲間に感謝しつつ、無事帰宅できたことに心から安堵した。(文責:3928)

【CL追記】

事前の天気予報では両日とも雨。2日前、時間別予報を確認。初日の15時ごろから降り出し、翌朝2時には雨はやむとの予報。初日は14時までに下山、2日目は沢の水量で現地判断するという条件で実施を決断。渋滞の関係でスタートが遅れ、予定より1時間ほど押したが、幸い、雨が降り出す前に下山できた。

今回、プチバリ初級コース。初参加者も多く、碧岩直下の2段20m岩登り箇所での2回のロープ出しや懸垂下降などで想定以上の時間を要したが、快晴の中、秋の西上州とプチバリ山行を存分に楽しめたのではないだろうか。



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