高妻山・戸隠山

ガスに包まれた蟻の塔渡り

山行情報

日時:2025/07/11 ~ 2025/07/12 天候:曇り時々晴れ/曇り後晴れ
ランク:C-C-8:00 参加:4名
山行担当:CL3847 SL3740
記録担当:文責:3847 写真:3740, 3847

コースタイム

1日目
戸隠キャンプ場5:55…6:04一不動登山道入口…7:26一不動避難小屋7:35…8:24五地蔵8:33…8:45七薬師…9:15九勢至…10:16高妻山10:40…12:06五地蔵山…13:29弥勒尾根登山口…13:52戸隠キャンプ場(泊) 歩行時間:7時間15分 / 休憩時間:50分/合計:8時間05分
2日目
泊地6:09…6:54随神門…7:16戸隠奥社…7:21戸隠神社奥社登山口…8:03五十軒長屋…8:27天狗の露地8:33…9:00蟻の塔渡り9:12…9:18八方睨9:37…9:43戸隠山9:46…10:38九頭龍山…11:30一不動避難小屋11:40…12:49戸隠牧場…13:10駐車場 歩行時間:6時間11分/休憩時間:50分/合計:7時間1分

コースマップ

記録日:2025/07/11

記録日:2025/07/12

山行記

山行に先立ち…

安定しない天候で、予定していた会山行をやむなく中止。代わりに行く山はないかと調べ、戸隠山とその隣の高妻山を登ることに。さっそく、近くにある戸隠キャンプ場をベースとして登る計画を立てる。戸隠キャンプ場は、妙高戸隠連山国立公園の中にある、標高1,200mの広大なフィールド。コインシャワーなど設備が充実しており、何より迫力ある戸隠連山を望めるという。前日夕方、車でキャンプ場入りし、ログキャビン(10,000円/泊:5名まで)に宿泊。



1日目(高妻山)

翌朝、厚い雲が広がり戸隠連山は見えずも、初めての山にワクワク感が高まる。登山口から一不動を経由して山頂をめざすルートへ。まずは、大洞沢に沿って渡渉を繰返しながら登っていく。途中には滑滝や鎖場に加えて、沢を遡上しながら進む箇所もあり、バラエティに富んだ登山道。滑滝を過ぎると、このルート唯一の要注意箇所である岩斜面が現れ、濡れた岩斜面を慎重にトラバースする。

1時間半程で、最初のポイント一不動避難小屋に到着。ここで小休止した後、五地蔵山をめざす。樹林帯の中、小さなアッダウンを繰返しながら高度を上げる。地味に体力が削られていく。二釈迦、三文殊、四普賢の石祠があったはずだが、見逃す。五地蔵からは六弥勒、七薬師、八観音、九勢至をしっかり確認していく。時おり麓を振り返ると雲海が広がっており、徐々に上がってきている。雲海にのみ込まれる前に山頂に立てられるだろうか?

空模様の変化に一喜一憂しながら、ひたすら登る。九勢至を過ぎると登山道も険しくなり、頂上直下では岩稜帯、ロープ場も出てくる。最後の急登をクリアすると、ゴツゴツした大きな岩の尾根となる。銅鏡や剣が立て並べてある十阿弥陀を過ぎると高妻山山頂。360度、遮るものはない。晴れていたら、北アルプスの大パノラマが見えるに違いない。だが、ついにガスにのみ込まれる!しばらく晴れ間を待つも、青空は見えず。今回は心の目でガマン…。

下山は、五地蔵から弥勒(みろく)尾根新道経由。時おり現れる粘土質の登山道はスリッピーで注意が必要。途中から、ブナ林の登山道になる。樹林帯を抜け、弥勒尾根登山口に着くと、朝はまったく見えなかった戸隠山が眼前に。上部は雲に覆われていたが急峻な岩肌が確認できた。

下山後は、車で10分程のところにある戸隠神告げ温泉湯行館へ。温泉で汗を流し、戸隠そばをいただく。キャビンに戻ってからは、お待ちかねの反省会!いつもながらビールが美味い!明日は、いよいよ戸隠山の「蟻の塔渡り」へチャレンジ。はやる気持ちを抑えながら寝床につく。



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2日目(戸隠山)

戸隠キャンプ場から「ささやきの小径」を経由して、戸隠奥社の随神門へ。奥社参道の、樹齢400年を数えるスギ並木に圧倒される。山道を進んで行くと古い石段が現れ、登りつめると戸隠神社奥社。社務所の脇に登山道入口がある。

歩き出してすぐに急斜面に突き当たり、左右に折り返しながら急激に高度を上げていく。大きな岩の窪みがある五十間長屋、百間長屋を過ぎると本格的な鎖場が始まる。西窟から長めの鎖場を登りきり、ふと左側を見ると岩壁に鎖が垂れている。折角だから登ってみる。上部は狭く、左右に切れ落ちて高度感は十分。ミニ塔渡り?後で知ったが「天狗の露地」だった。

そこからは鎖場の連続。3本目は逆さL字の鎖場。垂直に近い岩壁を攀じ登り、その後トラバース、さらに直登。ワクワクする鎖場だ。幾つかの長い鎖場を登っていくと「胸突き岩」に到着。戸隠山最大の鎖場で、ほぼ垂直の岩壁を登る。とにかく長~い。そこを登り切ると「蟻の塔渡り」に到着。スタート地点にある岩の上に立ってみる。残念ながらガスに覆われ全容が見えない。表面がボコボコした細~い岩尾根が前方に伸びて、白いガスに吸い込まれている。両サイドは切れ落ちていてエンドが見えない。右下に目を向けると、迂回路へ下る鎖があった。ガスのおかげもあり、高度感を感じることなく歩いて渡る。あっという間の蟻の塔渡りだった。

渡り切ると、また鎖場。そして「八方覗」に。睨んでもなんにも見えず。標柱のある山頂は少し先にある。そこから、鎖場やロープ場がある鋸のような尾根を、アップダウンを繰り返しながら進んでいく。途中、九頭龍山を経由し、前日通った一不動避難小屋に到着。ここから、前日登ってきた大洞沢に沿った一不動登山道を下る。下りはじめて直ぐにある「氷清水」で喉を潤す。実に美味かった! 

牧場に到着すると、夏を思わせる青空が広がっていたが、戸隠山の山頂付近はガスに包まれたまま。最後まで全容を確認することはできず心残りもあったが、戸隠キャンプ場で教えていただいた森林囃子(もくもくばやし)で入浴後、帰途につく。

今回、キャンプ場をベースとして戸隠連峰にある百名山:高妻山と、二百名山(信州百名山):戸隠山の2座を登った。渡渉、沢登り、鎖場、ナイフエッジなど、バラエティに富んだ歩きを楽しんだ2日間となった。もしリベンジするなら天気の良い紅葉の時期だ。



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